「先日タムタム大宮に行ったときにNさんの子供がCADを勉強とか言ってたな」
と。
いうわけで。
コロナ騒ぎの時からCADを勉強して3Dプリンターを使い…CNCを勉強するときに一番詰まった「3DプリンターとCNC、作業上の違い」の部分だけさらっと。
正直CADだのスライサーだのといった個別のソフトはyoutubeなんかで腐る程でてくると思うんだけど、全体像を説明してる動画や説明ページには今現在に至るまで一度も見た覚えがない。
youtubeでやってるような、「CADの操作がどうだ」「スライサーの操作がどうだ」の前の部分を少しだけ書こうかなと。
ただし、3DプリンターにしろCNCにしろ、極端な安物は対象外。
3Dプリンターは熱融解積層方式を対象にしており、光造形は対象外です。触ったことないし。
既知だったら読み飛ばし推奨。
結論
![]() |
CAD/CAM/スライサーと3Dプリンター・CNCで部品の関連図 |
はい終了。お疲れ様でした。
というのもアレなので個別に少しだけ。
…geminiってアイコン作ってくれるので便利ね…スライサーだけはうまいこと出来なかったけど。
概要
ざっくりというと、
- ①設計
- ②④機械がわかる言葉に翻訳
- ③⑤⑦実際に加工
です。
DMM等の3Dプリントサービスや、業者にCNC加工する場合は①だけで終了です。
- 3Dプリントサービスには.stlファイルのみ作成(エクスポート)して渡しましょう。
- CNCの場合はstepファイルを作成すればいいですが、場合により図面(PDF)が必要です。公差などが必要になるので外注は結構ハードル高いです。
特にCNCの場合、業者側も幾何公差や表面荒さなどが絡んできて納品する側の責任というやつがあるので結構値が張ります。ちっこい部品一つ2万円とかザラです。実際にCAMやら操作すると「こりゃ2万とか言われてもしゃあないわー」って思えます。RC用部品の場合はSRFさんに頼めば安価にやってくれると思います。
自分でやる場合、目的に応じてざっくり上記のソフトを使う必要があります。
3Dプリントに必要な物
金銭的に必要なのは
「①CAD」と、「③3Dプリンター本体」+「材料」+「その他」です。
②スライサーは3Dプリンター純正品が無料で付いてきます。
有料ソフトは聞いたことないです。強いて言えば…Fusion?Fusionでも出来るよってだけで多分純正のスライサーの方が…
最近はprusaのスライサーが元になってるソフトがメインでしょうか。bambu studioはprusaのクローンから、orca スライサーはbambuが元って聞いてますし。
まぁいずれにせよ普通は3Dプリンター純正のスライサーを使います。
「その他」は…ニッパーやラジオペンチでしょうか…光造形の場合はイソプロピルアルコールとか欲しいのかな??(使ったことないからわからん)
CNCに必要な物
「①CAD」と、「④CAM」、「⑤制御ソフトを動かすPC」、あと「⑥CNC本体」と「その他」でしょうか。
⑤と⑥の代わりに⑦の用に一緒くたになってる場合もあります。
⑦は…図中はアイコンがマシニングセンタっぽいアイコンになってますが、Amazonに売ってるような”小さいコントローラーにSDカード刺して~”ってパターンは⑦のパターンじゃないでしょうか。
YoutubeやWEBで言う「中華CNC」は⑤+⑥のパターンです。
「中華CNC」というのはOMIOCNCのコピー品(独自進化してる場合あり)です。
⑤制御ソフトは個人向けの場合は⑥CNC本体にセットで付いてくると思いますが、中華CNCなんかは不正コピーの場合があるみたいです。
なお、「その他」にはエンドミルやコレット、芯出しバー(エッジファインダー)、ノギス、ダイヤルゲージ、シックネスゲージ、スコヤ、クランプ、加工する物(アルミやカーボン)、捨て板…まぁ結構な量の備品が必要です。
覚える必要がある物:3Dプリンターの場合
①CAD
最低限何を作るのか設計しないことには始まりません。
SRFさんをはじめとする個人向けサービスを展開してるところは「CADによる設計」もしてくれますが…いくらかかるか知りません…
まぁいずれにせよ、「何を作るのか」のアイデア出しと、「意図を伝える為の設計」は必要です。
![]() |
実際のCADの画面(Fusion) |
RCみたいな複雑怪奇な物だけじゃなく、CADを使えば日用品もちゃちゃっと作れる
![]() |
シンプルな物の例:階段の手すりに洗濯物を引っかけるフック |
ヒートン?指や服を引っかけちゃうじゃん?
②スライサー
ひと昔前はPETやABSを出力する際のベッド温度やヘッドの速度など、全部自分で試行錯誤する必要がありましたが、今現在はそんな手間は「デフォルトのできあがりに不満がある場合」だけです。大体の場合、デフォルトでいけます。
適当にぶち込んでボタンぽちーでgcodeファイルが出来るので、SDカードに入れて3Dプリンターにぶっさすだけです。
まぁそれでも”強度が必要な場合”や”キレイに仕上げたい場合”など、ケースバイケースで勉強&試行錯誤する必要はありますが。
出すだけなら説明書やYoutubeの通りにやっとけば問題ないです。
3Dプリンターは何もないところに物を作るのでCNCに比べて余り細かいこと考える必要はありません。
今時の3Dプリンターは電源入れてスライサーが作成したgcode読み込ませて「ポチッとな」ってすれば「フィラメント入れて」みたいな指示が出るので従っておけばいいです。(ただし多くの場合英語)
ベッドとノズルの間に紙を挟んでダイアル調整…なんて今時はやりません。全自動です。
![]() |
3Dプリンターのイメージ図 |
覚える必要がある物:CNCの場合
CNCの場合、ミスすると機械かエンドミル、加工物、場合によっては近くで操作してる「人」がぶっ壊れます。
”数千回転で回るエンドミル”や”刃物を押し当てて切削を維持出来る程の力があるスピンドル”部分がアルミやカーボンといった塊や板をすごい勢いで吹っ飛ばす為です。
私も手動フライスで何度も吹っ飛ばしました。
CNCでは一度も飛ばしたことはないですが…エンドミルは何本か折ってます。
3Dプリンターは3Dプリンターで考えることは別にありますが…大体の場合はスライサーがなーんとなくうまい具合にしてくれるので…(それでもダメなら怒られる)
うまくいかない場合はせいぜいスパゲティを作って時間を無駄にしてくれる程度なので平和なもんです…
①CAD
やること自体は3Dプリンターの場合と変わりませんが、3Dプリンターとは違って削る前提で設計する必要があります。工具が侵入できるようにする…等です。
④CAM
CADで設計した立体物に対し、「エンドミルの回転速度、進入速度、削る速度、削る位置・順番」といったツールの動きを設計するツールです。
「エンドミルを何回転で回す、現在の位置から加工原点基準で何ミリの位置に、どのくらいの速度で移動する」という事をひたすら作るような感じです。この内容はGCODEとして出力されます。
GCODEには方言が沢山あって、GCODEを解釈する機械によって使えたり使えなかったりする命令があります。なのでこの辺をうまーいこと設定すればうまーいことGCODEを生成してくれるのがCAMです。
ものすっごい奥が深いです。CAMオペレーターなんて職業があるくらいです。
職人はCAMなんて使わずに機械にベタうちするらしいですが…
![]() |
知らない人が見ると訳がわからないCAM (画像は設定ミスってて手を入れてはいけないところを削ろうとしてます) |
私の場合、事前にざっくり作っておき、あとは現物合わせで都度修正しつつ作業します…専門家じゃないのでそんなもんです。
⑤制御ソフトと⑥CNC本体の操作、あるいは⑦NC加工機の操作
CNC本体は信号を受けて動かすだけ、なので⑤制御ソフトでCAMにより生成されたgcodeを解釈してUSBあるいはシリアルで接続された⑥CNC機械を動かします。
⑦は⑤と⑥が一緒くたになってるパターンです。
これもまた奥が…(略)
3Dプリンターは何もないところから作るので「さっきここにこれだけ積んだから次はここに積む」ですが、CNCの場合は④CAMで「ここに材料があるはずだ。だからツールをこのように動かせば目的の形状に削ることが出来る」と言う意味のGCODEを作成しているので、GCODEの前提である「ここに材料があるはず」を「定義通りの場所に材料がある」という風に前提を満たす操作が必要です。(段取りと表現されることが多い)
このあたりは物理的な作業です。
ワーク(材料)をベッドに固定して、垂直・水平をだした上で加工原点をエッジファインダーやシックネスゲージを使ってゼロリセットします。
※うちはシックネスゲージじゃなくて0.1mm/0.01mmのフィラーテープ使ってます
加工原点を割り出す際にスピンドルの位置をちょうどいい具合に移動、エッジファインダーを回転させてその先端をワークに触れさせる…という操作を⑤制御ソフトを使って操作します。
制御ソフトを使う=NC機械を動作させる→GCODEを理解する必要がある
という事で、必要最低限のGCODEをしらないとスピンドルの移動も出来ないですし、加工原点も出せません。
加工原点を出したら加工範囲が機械座標上の制限に引っかかってないかを確認した上でgcodeを読ませてGOです。
![]() |
NC加工のイメージ図 |
導入としてはこんなところでしょうか?
大分脱線してる気もしますが。
0 件のコメント:
コメントを投稿